背景を入れて仕上げます。背景は、前回使えなかった水彩色鉛筆を総動員しました。
三菱ユニ・ウォーターカラー
・ローアンバー
・ヴァンダイクブラウン
・ダークセピア
・ブラウンオーカー
・ベネティアンレッド
ヴァンゴッホ(水性)
・ローシェンナ
・オリーブグリーン
ステッドラー・カラトアクェレル
・ヴァンダイクブラウン
・ウォームセピア
・グリーンアース
極細目の紙に対しては、芯先が丸い状態で塗っても滑らかに仕上げるのは難しいですが、できないほどではありません(芯が尖っているほどツライチに塗るのは難しくなる)。目が荒めの紙に比べれば濃い色に塗り上げるのも可能で、猫の範囲のタッチ(質感)を合わせるなら強いて水入れしなくても大丈夫な感じでした。
カラトアクェレルや三菱ユニウォーターカラーは比較的色乗りは良い感じでしたが、水性ヴァンゴッホはかなり色の乗りが悪かったです。無論、全く色が乗らないほどではないので、色味を出す程度の塗りであれば、むしろカラトアクェレルのように色乗りの良いものよりも微妙なニュアンスを出していくのは容易な気がしました。
前述の通り、ドライのままでも悪くない感じでしたが、極細目のコットン紙に対する水入れの是非を確認するためあえて水入れを実施。結果は、やらないほうが良かった。コットン紙と言えども極細目の紙の場合、水入れをするとバックランとリフト効果が無視できず、汚いムラになりがちです。さすがにパルプ紙に比べると絵の具の筆戻りは少ないようで、ドライ状態よりも色合いは濃くなりはしますが、荒めの紙の場合に比べると劇的なほどの変化ではありません。コットンかパルプかにかかわらず、極細目の紙には広範囲に水分を使うことは避けたほうが良さそうです。
ところで塗り残した左耳ですが、右耳で使った手法が手間暇のわりに今ひとつな結果だったため、同じやり方で仕上げるモチベーションが保てず、今後、新たな手法をテストする機会があった時のために残しておくことにしました。
エクストラホワイト極細目に関しては、色鉛筆の塗り心地は紙面を滑る感じがして必ずしも色乗りが良いように思えませんでしたが、塗り込めば濃くできるしむしろグラデーションのコントロールがやりやすい気がします。また、塗り込んだ色は安物のスケッチブックの紙と比較しても深みのある鮮やかな色合いになります。荒い質感表現はむしろ難しく、モチーフや画風によってはこの紙を選択するかどうか、慎重に考える必要がありそうです。
水彩色鉛筆に対する水入れでは、パルプ紙に比べると少し溶け具合が悪いようですが、そのぶん水を使っても濃く仕上がります。これはコットン紙特有の染み付きの強さゆえだと思いますが、逆にリフトを利用した修正などは難しく、バックランの痕跡(いわゆる水彩境界)が残ったりすると後から消したり誤魔化したりするのも難しい。ケント紙レベルの極細目の紙だと、水彩絵具でも水彩色鉛筆への水入れでも使いこなすのはなかなか高度な技術がいりそうです。