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よし、絵を描こう。

落ちぶれ貧乏人がお絵描きに挑戦するブログ。猫成分多め。

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ファーバーカステル(本家)の色鉛筆を使ってみる。【画材研究】10

夏休みも終わりなので仕上げてしまおうと思います。


背景のインクテンスに水入れしていきます。
しかしケント紙の特性を考えると、普通の筆で紙面を撫でるような水の入れ方では、あたかもショートケーキの側面に貼ってあるフィルムに付いた生クリームを舐め取るのと同じ効果でいろいろ惨事になるのは目に見えています。


そこで今回は新兵器を投入。




たまたま画材店で在庫処分のセール品を発見。パステル画のぼかしか何かに使うらしいのですが本来の使い方はよくわかりません。メーカーも不明で情報が足りませんが、毛質は固めです。

ともあれ、この筆になるべく少しだけの水分を含ませて、垂直方向に紙面を叩いていく方式で水入れしました。







経過は良好で、無用のリフト効果をかなり抑えられました。また、下地が白く浮き出ていた紙目もかなり埋められて、明度を落とすことも出来ました。
色鉛筆そのもので必死に紙目を塗りつぶさなくても、この方法なら簡単に紙目を埋められるってことですね。
通常のソフト色鉛筆で処置した範囲との境界も自然につなげられましたし、比較的時間も手間もかからずに済んだので、このテクニックは今後スタンダードになりそうです。


最後はおなじみブリードプルーフホワイトによるヒゲ入れです。紙面が平滑なので伸びが良くかすれもほとんどありません。基本的にはこれまでの実績の反映の範囲内です。






今回はいろいろ勉強になりましたが、正直、ミクストメディア路線でいくならケント紙を使うことはないかな・・・とは思いました。
余ったブリストルをどうするか考えないといけませんが。


肝心のポリクロモスとアルブレヒトデューラーに関しては、なるほどファンが多いのもうなずける性能だと思いました。特に重ね塗りの良好性は他の追随を許さないレベルだと思います。
他のハード系色鉛筆の多くが、塗膜のロウ成分のコーティング効果のせいで塗り込むほど上塗りが難しくなるのに対して、ファーバーカステルは制限なしに重ねていける感じです。
重ね塗りが得意と言っても、下塗りを覆い隠したり引っ張りまわすような意味ではなくて、透明な色付きフィルムを重ねるような感じの仕上がりになる点がポイントですね。ソフト系色鉛筆が油絵具だとしたら、ファーバーカステルは透明水彩の使い心地といったところでしょうか。


色数をもっと取り揃えれば、理想的な茶トラを描けそうな気もしますが、値段が値段なので沼にはまらないうちにこの辺で手を引いておこうと思います。

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ファーバーカステル(本家)の色鉛筆を使ってみる。【画材研究】9

どうにか猫はひと通り塗れたので、背景に移ります。


ポリクロモスとアルブレヒトデューラーは茶トラ猫を描く基準で色を選択しており背景への対応を考えていない、ケント紙に対する各社の色鉛筆の使い心地も試したい、といった理由もあり、背景はファーバーカステル以外の手持ちの色鉛筆をいろいろ試してみることにしました。











1.ダーウェント・インクテンス

バーク、ダークチョコレート、サドルブラウン、オーク使用。主に上半分の暗い範囲。
ねっとりとした描き心地で、かなりの摩擦抵抗感があります。シボ目の荒い水彩紙ではそこまででもなかったのですが、ケント紙の平滑な紙面に対して芯先がべったり密着するからだろうと思います。
もともと濃い色合いなのでケント紙のような滑らかな紙面に対しては筆跡が目立ち、ぼかすような塗りは難しいです。また、芯を尖らせてしっかり塗り込まないとケント紙であってもわりと紙目が多めに浮き出ます。


2.ダーウェント・カラーソフト

ピーチ使用。主に下半分の明るい部分。
ソフト系の色鉛筆のはずなんですが、ケント紙上だと意外とカサカサした描き心地です。たまたま淡い色を選んだためにそう見えるのか、色乗りは思ったより冴えない感じでした。また、他の色の上から重ねて塗っても、あまりブレンディング効果は得られませんでした。


3.ダーウェント・ドローイング

ベネチアンレッド、マースオレンジ使用。中間部分や左側下端のオレンジっぽい範囲。
今回試した中では一番描きやすかったシリーズです。いかにもソフト色鉛筆な柔らかさですが、インクテンスのような塗りの抵抗感はなく、それでいて色もしっかり乗ります。
惜しむらくはカラーバリエーションがかなり少なく、しかも色相が偏っていることでしょうか。猫を描く分には支障はないのかなとは思いますが。


4.ターレンス・ヴァンゴッホ

グリニッシュアンバー、ローシェンナ使用。右側上半分の暗い緑がかった範囲。
もともとカサカサな描き心地のシリーズですが、今回も同様でした。色乗りも特別良いとは言えませんが、悪いとまでは言えないどっちつかずな感じです。
不思議なことに、他の色を塗った上からだと比較的よく色が乗ります。重ね塗りでのブレンディング効果もわりと有効でした。


5.サンフォード・カリスマカラー

ダークブラウン、セピア使用。右側上半分の暗い範囲。
インクテンスと守備範囲がかぶってしまい、思いのほか出番がありませんでした。強引に使ってみた感じでは、色乗りはかなり良くそれでいてインクテンスほどの抵抗感もなく使いよい感じでしたが、濃く塗ると安物のクレヨンをグリグリ塗った時のような塗りムラがやや出やすいようです。
意外とケント紙とは合わないのかも知れません。


6.シャチハタ・ファーバーカステル

みどり、きみどり使用。中間部分の緑っぽい範囲。
我らがシャチハタカステルはグリーン系の色不足をカバーするために動員。もともとこういう目的のために購入したので面目躍如というところですね。
すでに経験済みの話ですが、滑りが良く楽な描き心地ですが色乗りはやはりアレです。また、実用に供して気が付いたことですが、セットされている色の多くがなんと言うか、近代的、人工的な色調で、とてもカラフルなんですが、自然風景に使おうと思うと何となく使い難い感じがします。
今回も他社の色を重ね塗りして人工感をセーブする必要がありました。



ちなみに今回使った色の色見本です(ピンクマダーレーキのみ未使用、シャチハタは猫の目に使った分は省略)。
左端はファーバーカステルとシャチハタ、中央はダーウェント、右端はヴァンゴッホとカリスマカラーです。


※撮影画像なので実物とは色合いが若干異なる可能性大です。



全体的な評価としては、紙質や色鉛筆の種類(ソフトでもハードでも)に関わりなく、広い面積を手早く塗ろうとすると紙目の下地が浮き出して白っぽくなる傾向があるようです。また、このような白く浮き出た紙目は、ケント紙のような平滑な紙であっても完全に塗りつぶすのは手間も労力も必要になります。

平滑な紙ほど筆跡もしっかり残りやすいので、これを消す(誤魔化す)のにも同様な手間が必要です。比較的平坦な面、あるいはピンボケ、グラデーションになっているような面の塗りは、色鉛筆よりは絵具(水彩やアクリル)のほうがやはりスピードと塗りの手間の面で有利そうです。

しかし作業の準備や後片付けの手間まで含めると、一概に絵具系が有利とも言えず悩ましいところではあります。

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ファーバーカステル(本家)の色鉛筆を使ってみる。【画材研究】8

水彩で大失敗してしまったので、別の方法を考えねばなりません。


そもそも今回のテストの目的はファーバーカステルの使用感の確認のためで・・・ファーバーカステル・・・シャチハタ・・・ハッ!( ゚д゚)



というわけで、急遽シャチハタカステルの出番と相成りました。





使用色はおうどいろ、くりいろ、あお、くろ、だいだい、あかだいだい、れもんいろです。

もともと色乗りがいまいちなシャチハタカステルなので、ケント紙が相手では案の定芯が滑ってなかなか色が乗らない。必要な明度まで持っていこうとしてあの色この色と塗り足していったらなんか、冴えない色合いに。


次いで、目の質感を出すために水入れをしていったのですが・・・。









水を使うとリフト効果の副作用の起きやすい色鉛筆ですから、水入れ前と比べて薄くなることはあっても暗くなることはないだろうと高をくくっていたのですが、予想外に暗い色合いに。

目に限って言えば、原画と比較しても色調、明度ともそれほど大差はない感じなんですが、目以外の範囲が原画より明るめ(本来必要な色が揃えられなかったのでこれが限界)に仕上がっているので、目とそれ以外とのバランスを欠いてしまいました。(業界では「ヴァルールが狂ってる」などと申します。)





猫の目に関する限り、原画に忠実であるよりフィクション込みで彩度を上げたり透明感を強調したりするほうが良いのだろうか・・・と言っても変にフィクションを入れると、いわゆるフォトショ加工をした写真画像のようなわざとらしさ、不自然さが出てしまう可能性もあり、難しいところです。


なお、前回の失敗の影響(紙表面のダメージなど)は特にありませんでした。


「さすがブリストルだ何ともないぜ!」

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ファーバーカステル(本家)の色鉛筆を使ってみる。【画材研究】7

耳と鼻に塗った水彩色鉛筆に水入れしました。










愛用のセリアの細い丸筆で慎重に塗っていきます。耳はアルブレヒトデューラーとポリクロモスで混合塗りしたおかげか、色がむやみに筆に吸い取られず、色落ちや塗りムラの発生も抑えることができました。
一方、ポリクロモスの塗りがかなり少なめだった鼻はバックランのコントロールが難しく、ムラを抑えて思い通りのグラデーションにするのは困難でした。

油性色鉛筆と水彩色鉛筆を半々ぐらいの混合で塗って水を使うというのは、アリかも知れません。



ところで、目の部分だけは今回購入したファーバーカステルの色の種類では処理できないため、ここは手馴れた透明水彩を使おうとしたのですががが。





紙に絵具がほとんど浸み込まないため、グラデーションのコントロールが全く利かなくて、どうやってもぐちゃぐちゃなムラにしかならず。ぎぃやああああああ。



諦めて可能な限り絵具をリフト。黄色の絵具(W&Nのニューガンボージ)の染色力が強く完全には元に戻せませんでしたが、致命的なほどの紙荒れは起こらず、なんとか再処理可能な状態になりました。





ケント紙の強靭さに加えて、ブリストル紙は紙の厚さがかなりあったので、収縮、変形などの悪影響を避けられたと思います。

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ファーバーカステル(本家)の色鉛筆を使ってみる。【画材研究】6

毛並みの陰影のバランスを調整し、耳と鼻を塗り始めました。










耳、鼻はアルブレヒトデューラーのミディアムフレッシュ、バーントアンバーのほか、ポリクロモスのテラコッタ、バーントシェンナも動員。しかし結局ピンクマダーレーキの出番はありませんでした。

ま、まあいつか白猫とかを描くことがあれば使うかも知れないし(震え声)。


タフト(耳毛)は塗り残し方式でやっていきましたが、ディテールの描き込みに強いはずのハード系色鉛筆でも思いのほか細部の塗り込みがうまくいきません。
また、耳の内側の色合いを出すために3色以上を必要としたため、繊細な毛並みとの境界部分も異なる色で何度も塗り重ねる必要があり、その結果シャープなエッジが出せずぼやけた仕上がりになってしまいます。

タフトの描き方は、まだまだ模索する必要がありそうです。

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プロフィール

管理人:
吉 比古 [よし ひこ]
趣味:
猫を描くこと
ひとこと:
モフモフな猫をモフモフに描けるように頑張ります。

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