ART-Meterで販売していた「キジトラ猫・3」をご購入いただいた記念!
というわけで本日は、この作品のメイキングをUPいたします。
ART-Meterの販売ページでは、システムの都合で使用画材などが詳しく表示されず、代表的な画材のみの表示になっていますが、実際はいわゆるミクストメディアの手法で、いろいろな画材を併用しています。
使用した主な画材です。
ヴィフアール水彩紙ブロックF4荒目
三菱アーテレーズカラー:
・セピア
・キャメル
ダーウェントインクテンス:
・セピアインク
・サドルブラウン
・ウィロー
・ベークトアース
・ニュートラルグレー
・ペイニーズグレー
・オーク
W&N透明水彩:
・パーマネントサップグリーン
・セピア
・ペリレーンマルーン
・バンダイキブラウン
・ウィンザーブルーレッドシェード
・ウィンザーブルーグリーンシェード
ホルベイン透明水彩:
・ローズバイオレット
・イエローオーカー
・カドミウムイエローライト
・ウルトラマリンライト
・ニュートラルチント
クサカベ透明水彩:
・ポピーオレンジ
ホルベインアクリラ:
・ネイプルスイエロー
・ウルトラマリンブルー
ゴールデンアクリリックス:
・トランスペアレントレッドオキサイド
Dr.Martin:
・ブリードプルーフホワイト
1.アクリル絵具で下塗り。
アクリル絵具のネイプルスイエロー、ウルトラマリンブルー、トランスペアレントレッドオキサイドで下塗りします。
非常に分かり難い画像ですが、自他共に認める撮影下手なのでご容赦ください。
2.落ち影の水彩下塗りと顔周りの下書き。
猫の落ち影にローズバイオレットとパーマネントサップグリーンの混色を投入。
目、鼻、耳はアーテレーズ色鉛筆のセピアやキャメルで下書きしました。
画像はフライングで下半身にインクテンスが入ってますw
3.インクテンス水彩色鉛筆入れ。
インクテンス水彩色鉛筆で猫さんの全身を塗っていきます。
今回の猫さんは画面に全身が入っていることから描くサイズが小さめということで精密描写がシビアになるため、作業に時間がかかってしまいました。
4.インクテンス入れ仕上げと水入れ途中まで。
塗ったインクテンスに水を入れて溶かしていきます。インクテンスは水を使うと非常に濃く鮮やかに発色するのが特徴です。
この絵は猫の縮尺が小さいため、水入れも細めの筆でちまちま入れていくしかありません。水が多過ぎても少な過ぎても猫の毛並み感を損ねるので、神経を使う工程です。
5.水入れの続き。
水入れ作業を仕上げました。
インクテンスで塗った上から水分を置くと、ちょうど乾いた紙の上に水彩絵具を塗るのと同じような感じで、余計なムラが出ることがあります(バックランと言うらしいです)。
最初のうちは問題ない程度でも、しばらく目を離している隙に思いがけないほど大きなシミになっていたりして、フォローに難儀しました(インクテンスは一度水に溶かして乾くと耐水性になります)。
6.透明水彩で目、鼻、耳のディテール塗り。
顔周りのディテールを水彩で塗っていきます。
耳はペリレーンマルーン、パープルマダー、バンダイキブラウン、ポピーオレンジ、鼻はペリレーンマルーン、セピア、バンダイキブラウン、ポピーオレンジを使います。
目は虹彩にカドミウムイエローライトと少量のイエローオーカー、ウィンザーブルーレッドシェードとグリーンシェードを使います。これらを塗る前に、上まぶたの落ち影で暗くなる部分にセピアを下塗りし、上塗りが透けて暗く見えるようにしてみました。
色塗りと影塗りを同時進行するのは難しく、失敗のリスクがあるからです。
瞳孔やまぶたの粘膜はセピアとバンダイキブラウン、ハイライトは紙下地の塗り残しです。
7.水彩で背景入れ。
今回はやや具体的な背景をドライブラシで表現してみました。
イエローオーカーを日の当たっている範囲に、他はパープルマダー、ブラウンマダー、ウルトラマリンバイオレットをメインに塗っていきます。日陰など暗くなっている範囲にはウルトラマリンライトを混ぜ、草の生えているような部分はオリーブグリーンを使っています。
しかし、ドライブラシは見た目以上に必要な絵具の量が多く、すぐ絵具がなくなってしまいますね。あまり水で薄めて使うことが出来ないからだと思いますが。
8.仕上げのヒゲ入れ。
いつものブリードプルーフホワイトとセピアでヒゲを描いて完成です。
この猫さんはヒゲの途中までが黒っぽくその先が白くなったりしているので、うまくつなげるのがちょっと難しかったですね。
ご閲覧ありがとうございました!