前回までのエフ水彩で、何年ぶりかの水彩画を描いたわけですが、まあいろいろと問題が。
中でもクリティカルに気になったのは、「下地が溶けるので塗り重ねがむずい」という点です。しかし、これに関しては解決方法の心当たりがありました。
それがアクリル絵具であります!
アクリル絵具は乾く前なら水彩と同様に水が使え、乾くと耐水性になる絵具です。油絵具のように油を使う手間を必要としませんが、油彩タッチでも水彩タッチでも描ける表現幅の広い画材です。
このアクリル絵具の性質があれば、なんぼでも塗り重ねが可能なわけです。
そんなアクリル絵具には何年も前に興味を持ち、基本色を何本か買い揃えたことも実はあったのですが・・・当時は色見本を作っただけで結局何の絵も描かずお蔵入りしてしまったというwww
というわけで、実質的にアクリル絵具でまともに絵を描くのは今回が初めてとなる次第です。
蔵出ししたのは以下の絵具。
ホルベイン・アクリラ。
ゴールデンアクリリックス。
紙は前回と同じく100均のKyowaスケッチブックです。
今回調べてみて知ったのですが、ホルベインは何年か前にアクリル絵具の体系を刷新していて、画像のアクリラは絶版らしいですね。大事に使わねば。
とりあえず4原色法での試し塗り。
ホルベイン・アクリラ。
上からイエロー、アルプスレッド、ウルトラマリンブルー、バンブーグリーン。
ゴールデンアクリリックス。
上からハンサイエローライト、パイロールレッド、ウルトラマリンブルー、パーマネントグリーンライト。
単独での発色はどちらも素晴らしく、特性も似ています。混色した場合、アクリラは比較的明度と彩度が維持されるのに対し、ゴールデンアクリリックスはやや暗く渋い色調になる傾向があるようです(使った赤と緑の色調の差異が若干大きいため、選択色の問題である可能性もあります)。
エフ水彩は分類上は不透明水彩になると思いますが、アクリル絵具は透明度の高いものが多いので(不透明なシリーズはアクリルガッシュ)、混色しても色濁りが少なく、重ね塗りによって色味の幅を広げることも容易です。
ホルベインのウルトラマリンブルーをカツラブルーに、ゴールデンアクリリックスのをアンスラキノンブルーに置き換えて3原色でも試してみましたが、やはりしっくりこなかったので4原色でやることに。
アクリラに比べて、ゴールデンアクリリックスはやや水との親和性が低いというかなじみ難く、塗りムラのタッチが残りやすいようです。
油絵タッチで描くにはゴールデンアクリリックスのようなタイプが向いているかも知れませんが、水彩調に描くならアクリラのほうが適しているような気がします。
チューブ入りではない、液状のゴールデンフルイドであればまた違ってくるのかも知れませんが。あいにくフルイドのストックはないので今回はパス。
しかし、背景のゴツゴツな岩肌感を出すにはむしろゴールデンアクリリックスのほうが良いのではとも思ったので、猫はアクリラ、背景はゴールデンアクリリックスメインでテストしてみることにしました。
次回から制作に入ります。モチーフはエフ水彩の時と同じミケさんです。