遅くなりましたが、先日ART-Meterで販売していた「キジトラ猫・4」をご購入いただきましたので、本日はその記念に、この作品のメイキングをUPいたします。
使用した主な画材です。
ホワイトアイビスブロックF4
三菱アーテレーズカラー:
・セピア
W&N透明水彩:
・パープルマダー
・セピア
・ウィンザーブルーグリーンシェード
・ウルトラマリンバイオレット
ホルベイン透明水彩:
・カドミウムイエローライト
・ローズバイオレット
・ウルトラマリンライト
・セピア
・パーマネントイエローオレンジ
・ニュートラルチント
・バーントシェンナ
・ローシェンナ
クサカベ透明水彩:
・ポピーオレンジ
ダーウェントインクテンス:
・ウィロー
・ベークトアース
・シェンナゴールド
・シシリアンイエロー
・サドルブラウン
・ダークチョコレート
・ピーコックブルー
・マダーブラウン
・ペイニーズグレー
・バーク
・セピアインク
Dr.Martin:
・ブリードプルーフホワイト
GENERAL'S:
・チャコールホワイト
1.下書き。
三菱アーテレーズで下書きをします。紙はホルベインのホワイトアイビスです。
キジトラの子なのでセピアのみを使い、頭部以外のややピンボケになる範囲は下書きを省略しました。
2.ウェットインクテンスで下塗り。
水彩色鉛筆のインクテンスを水で溶いたもので全体に下塗りをします。
インクテンスは水に溶かして乾燥させると耐水性になり、上塗りしても溶け出さないので下塗りには便利です。
3.暗い色の下塗り。
引き続きウェットインクテンスで暗い色を塗っていきます。
ピンボケになっている猫の足元などは、刷毛で紙面に水を引いてから色を置いてぼかすようにします。
一気に暗くせず何度か塗り重ねて様子を見るようにしました。
4.顔周りの水彩塗り。
目、鼻、口、耳を透明水彩で塗ります。
目はあらかじめまぶたの落ち影をインクテンスのセピアインクをウェットで塗っておきます。透明水彩に塗り重ねをすると下地が溶け出すので、先に影をインクテンスで塗っておいて、上塗りに透明水彩を使うことで影の色が透けて見えるようにしました。
使った色は、虹彩にウィンザーブルーグリーンシェード、ポピーオレンジ及びカドミウムイエローライト、瞳孔にウルトラマリンライトとニュートラルチント、まぶたの粘膜(アイライン)にW&Nセピア、ニュートラルチント、パープルマダー、ポピーオレンジです。ハイライトは塗り残しで紙の下地を出しています。
鼻は赤い部分にペリレーンマルーンとパーマネントイエローオレンジ、暗い部分にセピアを使っています。
耳はウルトラマリンライト、パープルマダー、ポピーオレンジを混ぜながらドライブラシでタフト(耳毛)を表現しました。
5.胴体部分のインクテンス入れ。
胴体部分にインクテンスをドライで入れていきます。
ホワイトアイビスがわりと荒目の紙なので、色鉛筆を普通に使うとかなりスカスカな感じになりますね。
6.インクテンスに水入れ。
先に塗ったインクテンスの上から水をつけた筆で毛並みの方向に沿って濡らしていきます。
色鉛筆で届かなかった紙の凸凹の凹んだ部分に色が回り、濃く暗くなります。
7.インクテンスを重ね塗り。
一度紙を乾かしてから再度インクテンスをドライで塗り、それを水で溶かして色を濃くしていく作業を繰り返します。
8.頭部のインクテンス入れ。
頭部も胴体と同様に処理していきます。
9.水彩で背景入れ。
背景を水彩絵具のドライブラシで入れていきます。
始めにホルベインのローシェンナ、バーントシェンナを下塗りし、その上からパープルマダー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンライトを塗りました。
背景のドライブラシの時には、あらかじめ猫の形に切り抜いた型紙を使ってマスキングしています。
10.仕上げのヒゲ入れ。
仕上げのヒゲは、まずGENERAL'Sのチャコールホワイトで下書きしてからDr.Martinのブリードプルーフホワイトで描きました。
この作品は、カメラ撮影で言うところの被写界深度(で合ってるかな?)の表現が際立つ仕上がりになりました。
対象を分けての遠景(例えば山)~近景(例えば手前の植え込み)表現による遠近法は基本的なテクニックですが、単独の対象でピンボケ具合をコントロールするというのはなかなかに難しいものがあり、勉強になったと思います。
ご閲覧ありがとうございました!