インクテンス塗りの続きです。
最も暗い色のバークを使う段階まで来ましたが、塗っても塗っても十分な暗さになりません。望む濃さにはほど遠い段階でしたがいったん切り上げ、水を使ってみることに。
すると、わりといい感じの暗さになってきました。
インクテンスは水で濡らしても筆跡が残りがちなので、色鉛筆のタッチを残し易いのが利点です(一般的には水彩色鉛筆は完全に溶けるほうが優秀、みたいな評価が多いですが)。
とは言え、大きい筆で一気に溶かすとディテールが潰れるので面相筆を使ってのちびちび処理にせざるを得ず、これまた時間がかかります。
また水彩紙の性質上、少量でも一度塗らすと微妙に濡れた状態が続くため、この上から再度インクテンスを塗り重ねようとしても、思うように色が乗らない感じです。インクテンスの再度の塗り重ねは、一度紙を完全に乾かしたほうが良さげです。
インクテンスと荒目の水彩紙の組み合わせでも、2~3回塗り重ねと水濡らしを繰り返せばなんとか必要な暗さ、濃さにはなりそうですが、もともと手軽さと量産効率を期待しての技法だったことを考えれば、手間を増やすのは本末転倒かも知れません。
あと、耳の部分の塗りに想像以上にてこずりましたね。
アクリルでの下塗りにはやや複雑に過ぎるし、透明水彩での塗り込みは、目や鼻であればインクテンスの塗りとは独立に処理できますが、耳はタフト(耳毛)の表現が必要なため、色鉛筆との作業切り分けが必要です。しかしインクテンスによる上塗りをするのなら、下地が水彩では水入れ作業で溶け出してぐじゃぐじゃになる可能性もあります。
耳の塗り方は、改めて考えたほうが良さそうです。