背景のインクテンスに水入れして仕上げます。
さすがにコットン紙だけあってさほどリフトせず、荒目のシボ目のおかげかバックランもほとんど目立ちません。インクテンスが直塗りされた部分はほぼそのまま残り、シボ目の凹みに溶けた色が回って良い感じに仕上がります。
背景にはみ出た耳毛周りは精度の調節が難しく、あまり徹底した原画再現はせず少しラフな感じを残しましたが、それほど悪くない感じになりました。1回の水入れでは原画より明るめ(薄め)になりますが、猫のコントラストの加減とも合わせてこのままで仕上げとしました。
前にエクストラホワイト荒目を使って水入れをした時、紙が大きく反ってしまって困りましたが、今回も案の定反ってしまいました。コットン紙で一定以上の水分を使うならどうやっても水張りが必須なようです。
最後に背景範囲のヒゲをブリードプルーフホワイトで入れ(猫の顔周りのヒゲは塗り残し表現になったので)、白猫のコントラストを調整して完成です。
エクストラホワイト細目は、荒目よりは色鉛筆画には使えますが、扱いはやはり難しくコスト面まで考えると手を出し難いかなといったところです。シボ目の感じで言えば、この紙よりもう少し目が細かく控えめであればベストだと思います。
コスト面ではどうしてもコットン紙よりはパルプ紙優先になりますが、リフト&バックラン問題はコットン紙を選択しない限りは解決できないかも知れません。
一連の試作作業は、白猫を塗るのに共通に必要な色鉛筆の色一式を割り出す目的もありましたが、実際には一般化は難しいことがわかり頓挫しました。
シチュエーションが違えば必要な色のパターンも全く変わってくる可能性が高く、都度検討する形でやっていくしかなさそうです。