さて、リハビリも兼ねての画材研究はまだまだ続きます。
家庭の事情のゴタゴタでしばらくお絵描きの世界から遠ざかっていましたが、その間にも時代は移り変わっていたようでして。
わりとどこの画材店でも見かけたファブリアーノ・アルティスティコ(どちらが社名で商品名なのかわかりません)のエクストラホワイトなどの取り扱いが変更になったのもそのひとつです。
紙自体は廃盤とか撤退とかではなく仲介の業者さんが変更になって供給は続けられるようですが、うかうかしていると趣味の絵の世界でも今浦島になってしまいそうです。
というわけで、エクストラホワイトはどんな紙なのか、この機会に試してみることにしました。
相変わらずの茶トラさんを、引き続きのファーバーカステル・ポリクロモス色鉛筆及び同アルブレヒトデューラー水彩色鉛筆を使って描きます。ただし前回問題になって放置していたことを解決するための新手法を取り入れていきます(と言っても特段目新しいことはありません)。
エクストラホワイトは色鉛筆画に使えそうな極細目をチョイス。旧エクストラホワイトはどういうわけか荒目、細目、極細目のバリエーションになっており、中目がありませんでした。仲介業者が変わってからは一般的な荒目、中目(旧細目?)、細目(旧極細目?)の分類になるようですが、内容が同一かどうかは未確認です。今回使うのは切り替わりの前に入手した旧のほうなので、極細目と表記します。
エクストラホワイト極細目はかなり目が細かくケント紙に匹敵するレベルです。なので消しゴム掛けも容易で下書きはさほどストレスがありません。色乗りもまずまず良好でタッチもつけやすい感じです。
塗り方はコットマン中目と同様、1色ずつ必要な範囲を塗り上げて重ねていくやり方を採用。まずはテラコッタ、次いでサンギュインで明るい部分から。
紙面がかなりきめ細かいので、野良猫の荒い毛並みの表現は難しく、むしろ上品な猫に仕上がりそうです。毛並みがきれいでソフトな感じの、生粋の家猫を表現する場合には向いているかも知れません。
続いて陰影部ですが、効率化のためバーントシェンナとビストロを同時進行で処置したあと、アルブレヒトデューラーのバーントアンバーで最暗部を入れます。
もともとアルブレヒトデューラーは、水入れすることで毛並み以外の(地肌などの)表現や暗い部分をしっかり暗くすること、水を使わなければポリクロモスと同様に使えること(ポリクロモスとアルブレヒトデューラーは油性か水性か以外は基本的に同じ色バリエーションで展開している)を目当てに導入しましたが、どうもアルブレヒトデューラーはポリクロモスよりも重ね塗りがうまくいかない気がします。紙面にねとっとくっつく感じが色乗りのコントロールを邪魔している感じです。極細目の紙ゆえの問題かも知れません。