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よし、絵を描こう。

落ちぶれ貧乏人がお絵描きに挑戦するブログ。猫成分多め。

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エクストラホワイト極細目を使ってみる。【画材研究】1

さて、リハビリも兼ねての画材研究はまだまだ続きます。


家庭の事情のゴタゴタでしばらくお絵描きの世界から遠ざかっていましたが、その間にも時代は移り変わっていたようでして。

わりとどこの画材店でも見かけたファブリアーノ・アルティスティコ(どちらが社名で商品名なのかわかりません)のエクストラホワイトなどの取り扱いが変更になったのもそのひとつです。
紙自体は廃盤とか撤退とかではなく仲介の業者さんが変更になって供給は続けられるようですが、うかうかしていると趣味の絵の世界でも今浦島になってしまいそうです。
というわけで、エクストラホワイトはどんな紙なのか、この機会に試してみることにしました。


相変わらずの茶トラさんを、引き続きのファーバーカステル・ポリクロモス色鉛筆及び同アルブレヒトデューラー水彩色鉛筆を使って描きます。ただし前回問題になって放置していたことを解決するための新手法を取り入れていきます(と言っても特段目新しいことはありません)。

エクストラホワイトは色鉛筆画に使えそうな極細目をチョイス。旧エクストラホワイトはどういうわけか荒目、細目、極細目のバリエーションになっており、中目がありませんでした。仲介業者が変わってからは一般的な荒目、中目(旧細目?)、細目(旧極細目?)の分類になるようですが、内容が同一かどうかは未確認です。今回使うのは切り替わりの前に入手した旧のほうなので、極細目と表記します。
エクストラホワイト極細目はかなり目が細かくケント紙に匹敵するレベルです。なので消しゴム掛けも容易で下書きはさほどストレスがありません。色乗りもまずまず良好でタッチもつけやすい感じです。

塗り方はコットマン中目と同様、1色ずつ必要な範囲を塗り上げて重ねていくやり方を採用。まずはテラコッタ、次いでサンギュインで明るい部分から。
紙面がかなりきめ細かいので、野良猫の荒い毛並みの表現は難しく、むしろ上品な猫に仕上がりそうです。毛並みがきれいでソフトな感じの、生粋の家猫を表現する場合には向いているかも知れません。

続いて陰影部ですが、効率化のためバーントシェンナとビストロを同時進行で処置したあと、アルブレヒトデューラーのバーントアンバーで最暗部を入れます。
もともとアルブレヒトデューラーは、水入れすることで毛並み以外の(地肌などの)表現や暗い部分をしっかり暗くすること、水を使わなければポリクロモスと同様に使えること(ポリクロモスとアルブレヒトデューラーは油性か水性か以外は基本的に同じ色バリエーションで展開している)を目当てに導入しましたが、どうもアルブレヒトデューラーはポリクロモスよりも重ね塗りがうまくいかない気がします。紙面にねとっとくっつく感じが色乗りのコントロールを邪魔している感じです。極細目の紙ゆえの問題かも知れません。



 

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コットマン中目を使ってみる。【画材研究】5

最後の仕上げ、背景はソフト系色鉛筆総動員でのテストです。

水彩色鉛筆を使って水入れをし、手っ取り早くシボ目を埋めることも考えましたが、そうすると鉄筆で彫ったヒゲが埋まってしまうと思い、ドライで仕上げることにしました。彫るタイプのヒゲ表現は、水彩では使えない点も考慮しないといけませんね。

背景の使用色は以下の通りです。シボ目が荒めだと、ソフト系色鉛筆の塗り心地はどれもほとんど同じになり、色調以外には特に使い分けする根拠もありません。基本的な塗りのテクニックとして、明るい範囲は暗い色を先に、暗い範囲は明るい色を先に塗っておくのが良いようです。


カリスマカラー
・ダークアンバー
・ダークブラウン
・セピア
・ウォームグレー90%

ダーウェントドローイング
・サンギュイン
・ベネティアンレッド
・ウォームアース

ヴァンゴッホ油性
・ローシェンナ
・グリニッシュアンバー

ホルベイン
・ベージュ

インクテンス
・スプリンググリーン



 

 
 
以上でコットマン水彩紙中目を使った試作品は完成です。

基本的には、コットマンは色鉛筆画に使うのには適した紙だと思います。ただ中目や荒目ではあまり暗い色調、こってりした画風には難しいかも知れません(明るめ、淡い色調の画風なら問題ないかと)。細目であれば色鉛筆画には最適な気がします。
比較的安価ですし使い勝手の良い紙だと思いますが、意外と取り扱ってる店舗が少ない点は残念です。
 

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コットマン中目を使ってみる。【画材研究】4

ディテールを塗っていきます。


鼻は少し暗い範囲にバーントアンバーでうっすら影を入れておき、サンギュイン、シナモン、ミディアムフレッシュで色調を整えていきます。鼻の穴の影はバーントシェンナやバーントアンバー、テラコッタなどで下塗りし、最暗部は新規導入のウォルナッツブラウンで入れてみました。前回バーントアンバーで足りなかった暗さも確保できていい感じです。


次は耳です。タフト(耳介内側の耳毛)は塗り残し方式としました。

バーントアンバーとビストロで暗い部分を下塗りし、サンギュイン、テラコッタで色味を上塗りします。シナモンやミディアムフレッシュも少し使いましたが、必ずしもなくても良かったようです。最暗部は新規導入のキャプトモータムバイオレットにバーントシェンナやサンギュインで色を馴染ませました。キャプトモータムバイオレットは地肌の暗色として追加したものですが、これも良い感じです。

タフトの根本の黄色っぽく色づいている部分などは同じく新規導入のブラウンオーカーやバーントオーカーを使ってみました。この2色とテラコッタの色調の差は微妙な違いですが、使い分けると案外良い感じに仕上がります。哺乳類は色相の幅が少ない分、似た色のバリエーションがあったほうがリアルになりますね。

塗り残し方式としたタフトですが、こっちはどうにもうまくいきません。ざっくり塗るとまたぼやけた感じになってしまうので、できるだけシャープな線が残るように注意して塗りこみましたが、それでも毛のエッジをうまく立たせることができませんでした。


画竜点睛の目を塗ります。

ファーバーカステルはもともと茶トラ猫の毛色や地肌を基準に選んでの購入だけだったので、それらとかけ離れた目の色はフォローしていません。なので、虹彩部分はインクテンスの水彩塗りとしました。
インクテンスを選んだのは、水で溶かしたあと乾くと耐水性になるからです。安価なパルプ紙の特性として、通常の水彩色鉛筆を塗ってからの水入れはバックランとリフト効果でうまくいかない可能性が高いのです。
ただ色鉛筆モードで描き入れてからの直接水入れは、特にインクテンスはコントロールが難しいので、水彩絵具と同じやり方で塗ることにしました。別の紙にインクテンスを塗り込んで、濡らした筆で色を取ります(色鉛筆の芯に直接水をつけると、あとあと変質の可能性がありそうなのでやりません)。

紙面に水塗りしてからピーコックブルーとオーク、バーントオレンジで下塗りし、マスタードでメインのイエローを上塗り、アクセントとしてタン、ウィロー、カドミウムイエローをちょい足ししました。まずまずの仕上がりとなりましたが、直接塗り込むのと比べると色を暗くするのが難しかったです。

目の粘膜部分(アイライン)はアルブレヒトデューラーのウォルナッツブラウンで描き込み、さらに面相筆で水入れしましたが、やはりバックランやリフト効果で薄くなる現象が見られました。水入れしたのはアイラインをクッキリさせるためでしたが、あえてやらなくても良かったかも知れません。瞳孔もウォルナッツブラウンを使い、こちらは水入れしませんでしたが、問題はありませんでした。







 

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コットマン中目を使ってみる。【画材研究】3

陰影範囲(バーントシェンナで塗った範囲)にビストロ(New!)を重ねてトーンを整え、バーントオーカー(New!)、ブラウンオーカー(New!)で色味を追加します。
精度を出す分にはギリ耐えられるレベルのコットマン中目のシボ目ですが、一番暗い部分の表現となるとシボ目の凹みに色が回らないので苦労します。追加の色味も、すでに明暗表現のための色が乗ってる部分(シボ目の凸部)にばかり乗るのでなかなか色味が出せません。また、全体的に暗くなっている部分は、シボ目の特性もあってシャープ感がどうしても出せず、エッジを出したい部分がぼんやりしてしまう問題があります。

色調に関しては、バーントシェンナの下塗りは想定よりやや赤紫がかってしまいましたが、新規導入したビストロの重ね塗りでまあまあ色調のフォローはできました。それでも最暗部はこの2色では十分暗くできなかったので、バーントアンバーを追加で上塗りしました。

陰影部分が十分に暗くなると、明るい範囲に塗った色が塗り足りず薄めなのが目立ってくるので、使った色をもう一度重ねて色を濃くしました。暗色のバーントシェンナに赤みが出ず、他の色を使うことも考えましたが、実験してみたところ、どうもバーントシェンナの赤み不足は塗り方が全体的に淡過ぎ、薄過ぎのためのようでした。下地のテラコッタ&サンギュインをもっとしっかり色が出るほど濃く塗ってあれば、バーントシェンナを使ってもさほど問題のない色合いになることが判明しました。

塗り込みの程度で色調の感じが変わる問題は、思っている以上に深刻です。手法によっては制作の過程で色味の出方に振り回される可能性があるからです(途中を迷うことで仕上がりが変になる)。







マズル(ヒゲ袋)と顎の周りですが、なぜか原画はこの辺りと他とで色調が変わって見えるので、色の構成も変更することに。マズルは基本をバーントオーカー、ブラウンオーカー、ビストロ、バーントシェンナとし、ヒゲ穴にバーントアンバーとサンギュインを使いました。顎は口回りをキャプトモータムバイオレット(New!)とバーントアンバーで最暗部を下塗りし、下顎はビストロとバーントオーカー、ブラウンオーカーで暗めに塗ります。ただ前述の理由で最暗部の口回りはやはり十分な暗さまで持っていくのが困難なうえ、ぼやけた感じになってしまいました。







ここまで来ると、先に鉄筆で入れておいたヒゲが思ったより目立ってきます。むしろこれまで試してきた中では最も主張が強いくらいです。その分、ヒゲ自体の位置ずれや色調の補正が効かず、ごまかしが効かない問題もあり、扱いの難しい手法のように思います。
 

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コットマン中目を使ってみる。【画材研究】2

猫の色塗りの続きです。

2段階目の塗りとしてポリクロモスのサンギュイン(New!)で赤みを追加。続いてバーントシェンナで明るい範囲のいちばん暗い部分と、陰になっている範囲の中間明度色を塗りました。

新規に入手したサンギュインとテラコッタの組み合わせは良好で、オレンジ色の色幅がいい感じに出せます。しかし明るい範囲の最暗部にバーントシェンナを重ね塗りしてみても、相変わらず赤みが出ずキジトラの縞模様のような色になってしまいます。どうもバーントシェンナを過信しているようです。
バーントシェンナは陰影範囲のベース色として塗り進め、後で色味を重ね塗りして調整していくつもりですが、バーントシェンナが下塗りとして適切かどうかは今のところ不明です。







途中ではありますが、パッと見た感じ、オレンジ系色の発色が今ひとつ良くない気がします。コットマンの地色がヴィフアールに比べて白っぽく、また緑がかって見えるためかも知れません。もしかしたらコットマンよりヴィフアールのほうが茶トラを描くのは向いているのかも。

シボ目は毛並み表現のサポートとしては良い感じです。
 

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プロフィール

管理人:
吉 比古 [よし ひこ]
趣味:
猫を描くこと
ひとこと:
モフモフな猫をモフモフに描けるように頑張ります。

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