猫に水入れをしていきます。
当初は耳と鼻だけ処置する予定でしたが、光源に対して影になっている画面左側の、色鉛筆だけでは十分暗くならなかった範囲にも水入れをすれば、より明度が下がるかもと思って処置範囲を広げてみました。
ウォーターフォードは染み付きが強く発色の良い水彩紙なので、水彩色鉛筆に水を使えばかなり色が濃く暗くなるだろうと期待したんですが、意外なほどそんなに暗くは発色しませんでした。
細目の紙だったためにシボ目の凹みに色が回って発色が強くなる効果がさほど発揮されなかったのか、水溶性のアルブレヒトデューラーに比べてポリクロモスの塗りの割合が多過ぎたのか(色数不足をカバーするためポリクロとアルブレを混在させて重ね塗りしてます)。理由はハッキリしません、
しかしそれより問題は、水を使うとバックラン効果によるシミのような汚いムラがむやみに出る点です。色鉛筆で苦労してグラデーションにした面も、水を入れるとじんわり平均的に色が広がってグラデがつぶれ、平坦な面になってしまう。
中目、荒目のウォーターフォードを使った時も悩まされましたが、このバックランが起きると後からのフォローはかなり難しい。
タフト周りへの水入れでもあまりシャープな表現にはならず。結局のところ、ウォーターフォードの細目に色鉛筆を使った場合、ケント紙に似たソフトなタッチに仕上がるようです。