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よし、絵を描こう。

落ちぶれ貧乏人がお絵描きに挑戦するブログ。猫成分多め。

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コットマン中目を使ってみる。【画材研究】1

久しぶりの画材研究試作です。

以前公開した試作シリーズで、ファーバーカステルのポリクロモスとアルブレヒトデューラーの色鉛筆を導入しましたが、なにぶん色数が少な過ぎたのと、思っていたのとはちょっと違う発色の色があったりとで微妙に残念な結果になってしまったので、思い切って色数を増やして再チャレンジしてみることにしました。

追加したのは以下の一覧のうちNew!マークのあるものです。





※上からポリクロモス
132 ライトフレッシュ←使用せず
179 ビストロ←New!
182 ブラウンオーカー←New!
186 テラコッタ
187 バーントオーカー←New!
188 サンギュイン←New!
283 バーントシェンナ

アルブレヒトデューラー
129 ピンクマダーレーキ←使用せず
131 ミディアムフレッシュ
189 シナモン←New!
263 キャプトモータムバイオレット←New!
280 バーントアンバー
177 ウォルナッツブラウン←New!


ほぼ倍増のレベルです。


紙のほうは、コットマン水彩紙の中目をチョイスしてみました。

これまでテストした中ではヴィフアール水彩紙が良好な結果だったんですが、この紙はいわゆるナチュラル色という、少し黄ばんだような色をしています。水彩紙というのは大別して生成り色のようなナチュラル色か真っ白に近いホワイト色かという分類があり、紙の色によって絵具の発色も違ってくるので、それぞれで使える紙を決めておくと表現の幅が広がるのではと思い、コットマンを試してみることにしました(水彩紙の中では安いので)。
ところが購入して実際に比べてみると、コットマンはホワイトワトソンなどほどには白くはなく、ヴィフアールよりわずかに明るい程度だったという。白っぽさよりは色調が、ヴィフアールが赤っぽいのに対しコットマンは緑っぽい感じのする点が(非常に微妙ですが)差異としては大きいようです。
たぶんこれはこれで、ヴィフアールとは発色が違ってくる気がしますが。

色はともかくシボ目の感じは、コットマン中目とヴィフアール中目はそっくりです。たぶん細目と荒目もそれぞれそっくりなんじゃないかと思います。


モチーフは、比較のためこれまでと同じ茶トラです(pixabay より harrystilianou002氏の作品をトリミング)。猫はファーバーカステルを、背景はこれまでと同様、手持ちの他社色鉛筆を総動員します。作画サイズはA5くらいです。


いつものようにポイントグリッドを打ち、アーテレーズで簡単に下書きをし、いよいよ色塗りですがその前に。

ヒゲの描き方についてはまだ迷いがあり、いろいろ考えていましたが、インターネットで鉄筆を使って轍(溝)を入れるやり方があるのを知り、試してみることにしました。この手法は、色鉛筆で塗る作業の前にやってしまわないといけません。
最初は、使い切って空になったボールペンを使うつもりでしたが、事前に何度も試し書きをしてインクが出ないことを確認したにもかかわらず、いざ本番でヒゲを入れ始めた途端に残っていたインクが出てくるという痛恨のミス。ボールペン作業は中止せざるをえませんでした。
仕方なく、別の手持ちの鉄筆で続きをやりましたが、この鉄筆は先が鋭過ぎて紙を傷めやすく(最初から使わなかったのはそのせい)、線引きもシビアで滑らかに描けないうえ位置決めもうまくいかず、散々な結果になってしまいました。


ともあれ、最初の塗りを開始。ポリクロモスのテラコッタを使い、猫の明るい部分の一段目の毛並みを入れました。色乗りは比較的良好ですが、コットマンが優秀なのかポリクロモスが優秀なのかはわかりません。芯先を尖らし気味に描けばヴィフアール細目と比べても比較的高精度な描写が可能で、芯が丸まってくればシボ目を生かした表現もできます。コットマンの第一印象で言えば悪くない感じです。







続きはまた次回に。
 

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ヴィフアール(細目)を使ってみる。【画材研究】後編

ヴィフアール細目を使って茶トラ猫を描く試作の後編です。








耳と鼻に水入れし、目は透明水彩で塗りました。

パルプ紙のヴィフアールは、ウォーターフォードホワイトに比べて色の染み付き具合が弱めです。そのためバックランのスピードが速く、また色の筆戻り(リフト)も多いため、水彩色鉛筆で塗った部分に水を置くとシミ状のムラになりやすく、また色が薄めに仕上がりがちです。ある程度暗い部分に水入れする場合は二度塗りの必要があると思います(今回は時間の節約のため二度塗りはしませんでした)。

目の塗りに使った水彩は、ホルベインのカドミウムイエローライト、ウルトラマリンディープ、ニュートラルチント、セピア、クサカベのポピーオレンジです。
上で説明したような特性は水彩を使う場合も同様で、ケント紙に水彩を使った時のような問題が起きます。特に、ボカシを広げようと水を置くとたちまちバックランや筆戻りが起きてディテールがつぶれてしまうのが如何ともし難いです。
ウォーターフォードホワイトの時にやらかした、色が暗くなり過ぎる問題は今回なんとか避けられましたが、手こずっていじくった結果あまりきれいな感じに仕上がらず、何か根本的な対策を考えたほうが良さげです。



 

 

色鉛筆を総動員しての背景入れ。なお時間の節約のため、猫を含めて塗り範囲を少し狭めております。

カラーソフトのピーチは塗り心地が今ひとつで、しかもその上から他の色鉛筆で重ね塗りしようとするとなんか汚い感じになってしまう。そのため向かって左側の明るい範囲は急遽ドローイングのライトシェンナに変更しました。
原因は塗面がワックスクレヨンで塗ったような塩梅になるためかと思われますが、ものの本によれば色鉛筆の場合、先に濃い色から塗って後で明るい色を塗り重ねるのが基本だそうで、単に自分のやり方がまずかっただけですね。

カリスマカラーも塗り心地がどういうわけかあまり冴えない感じです。紙面を滑るような感じが強く、しっかり塗り込んでも十分に色が乗らないというか、本来より薄めに仕上がる感じです。
ブリストルの時も思いましたが、カリスマカラーは平滑な紙より荒目の紙のタッチを生かすような使い方のほうが合っている気がします。

ヴァンゴッホは案外使い勝手が良かったです。塗り心地などは特筆するところはないんですが、たまたま色合いがちょうどはまった感じになりまして。
他の色を塗った上からの重ね塗りが良好なのもこれまでと同様です。

インクテンスとドローイングは、塗り心地は悪くないのですが、他のシリーズと比べて紙目が粗めに浮き出る傾向があります。もしドライでしっかり塗り込もうと思えば、芯を頻繁に尖らせながら塗るコスパの悪いやり方が必要になると思います。







背景上半分に水入れして仕上げです。例のボカシ筆でポンポン。

インクテンスへの水入れの経過は良好です。キメが細かくウォーターフォードホワイトと同等に仕上がります。

背景の右上部分はカリスマカラーとヴァンゴッホの塗り範囲で、本来は水彩色鉛筆ではありませんが、ついでに水入れしてみると色が紙になじんで落ち着いた感じになった気がしないでもないような感じです。ただインクテンスの範囲のように、水入れで色が濃く強くなるということはありません。


色見本込みの全体像。





まとめますと、ヴィフアール細目は色鉛筆の滑りが非常に良く、特に明るい淡い色やハード系色鉛筆は色が乗り難いです。しかし色が乗らないわけではないので、しっかり塗り込めば良い感じに仕上がりそうです。
シボ目はやや粗めに出ますが、水彩色鉛筆に水入れした場合は比較的キメ細かい質感になります。

水彩色鉛筆との相性は良好ですが、例えばシャチハタカステルのようなハードタイプのはもともとの色乗りが弱いこともあり、水を使うとリフト効果もあってかなり薄くなってしまう点は要注意です。



ヴィフアールの紙表面の脆さは筋金入りですので、オール水彩だといろいろ問題も多いのですが、ドライで仕上げられる色鉛筆との相性はわりと良いようです。

目や耳の水彩の処理、暗い範囲の塗り込みの問題が解決できれば、ヴィフアール細目はコスパの面でも優秀な紙だと思います。

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ヴィフアール(細目)を使ってみる。【画材研究】前編

さて、ここまで実質的なケント紙であるブリストルスムースパッドと、コットン系水彩紙であるウォーターフォードホワイトをテストしてきました。で、もうひとつどうしても確認しておきたいカテゴリが残っております。


それはパルプ系の水彩紙です。


コットン系水彩紙に比べて廉価でそれなりに使用実績もあるパルプ系水彩紙は、使用感が良好であれば優先的に採用したい紙種であります。そこで今回は、ヴィフアールの細目をテストしてみることにしました。


比較のための試作ですので、当然紙以外の使用画材とモチーフはこれまでとほとんど同様になりますが、自分にとっては必要な作業とは言え、ネタ的には同じ絵の話を3回も繰り返すのはさすがに芸がありません。なので、今回はかっとばして前/後編の構成でお届けします。



ヴィフアールの細目ですが、その表面は目視ではややシボ目が目立ちます。平滑な範囲とシボ目が浮いている範囲とが半々でまだらに入り混じっているような感じです。真っ白だったウォーターフォードホワイトとは異なり、いわゆるナチュラル色と呼ばれる、生成り色がかった紙です。

ポリクロモスとアルブレヒトデューラーの色見本を事前に作成してみた感じでは、色乗りは良く発色もまずまずでした。ただアルブレヒトデューラーに水入れしてみると途端に発色が弱く薄くなるのが気になりました。








ポリクロモスのテラコッタで第一段階の毛並み入れ。

下書きのアーテレーズでは色乗りは良好でしたが、ポリクロモスだと紙面の滑りが良過ぎて色が乗り難い感じがします。
色が乗らないということではなく、しっかり塗り込めばちゃんと発色はしますが。
芯が柔らかめの水彩色鉛筆のアルブレヒトデューラーのほうが色乗りは良いかも知れません。







ポリクロモスのバーントシェンナで第二段階の毛並み入れ。

ナチュラル色のヴィフアールでは、バーントシェンナはかなり彩度が低め、セピアに近い発色になります。
ウォーターフォードホワイトでは赤みが強く見えましたが、ヴィフアールでは普通に影色として使えそうです。







アルブレヒトデューラー含めてファーバーカステル5色での全体塗り。

やはりポリクロモスよりアルブレヒトデューラーのほうが色乗りは良いようです。ただそれでも紙目を完全に埋めるところまではいきません。
まあこれは色鉛筆の問題と言うより紙の問題でしょう。水彩紙では表記上細目であっても紙目はどうしてもやや荒めに出てしまいます。


ファーバーカステルでの仕上げレベルまで来ると、ウォーターフォードホワイトに比べ、イエロー寄りのオレンジ色が強く発色してきます。下地がナチュラル色の紙だからだろうと思います。
また、全体的な色の濃さもヴィフアールのほうが強くなる感じです。ただ発色(彩度)はおとなしめになるようです。
リアルな動物絵(特に哺乳類)という意味ではヴィフアールは悪くないと思いますが、絵的な見栄えの点ではアピールが弱くなるかも知れません。

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ウォーターフォードホワイト(細目)を使ってみる。【画材研究】9

ようやく仕上げです。毎度のブリードプルーフホワイトでヒゲ入れ。
あと、使った色鉛筆の色見本を追加しました。










猫の明度が全体的に明る過ぎたため、白でヒゲを入れてもなかなか目立たないし描くのも難しくなります(どこを塗ったのかわからなくなる)。
ブリードプルーフホワイトは乾くと光沢が出るので、見る角度を変えれば光って見えるっちゃ見えるのですが、このテカリが質感として不自然になってしまうのも悩ましいところです。



ウォーターフォードホワイト細目の使用感についてまとめますと、ケント紙に匹敵するほどのキメの細かさがありますが、微妙なシボ目は残るためソフトなタッチに仕上がります。また、水を使わない色鉛筆オンリーでも発色が良いです。
ソフト感を強調できる一方で、シャープなエッジは出し難い。染み付きが強くリフトが効かないことや、バックランが強いことなどから、少量でも水を使う塗り方をする場合は注意を要します。

性質面以外の問題は、価格が高いことでしょうか。コットン系水彩紙の中ではまだ中堅レベルですが。
消費税が上がるちょっと前に値上げしたようですが、ウォーターフォードのみならず多くの画材が税UPの前に値上がりしており、お絵描きはますますセレブなご趣味の域に離れていきそうです。


まあ一番の問題は、この紙の性能を十分引き出せていない自分の能力不足ですけどね。

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ウォーターフォードホワイト(細目)を使ってみる。【画材研究】8

インクテンスで塗った背景に、以前紹介したぼかし筆もどきでポンポン叩いて水入れしていきます。










ブリストルに比べてシボ目が荒く、色鉛筆の顔料の付着量が少ないために、やや暗さが足りない感じになりました。
また、染み付きの強い紙なので、シボ目の上に乗ったインクテンスの顔料が溶け切らず、水で溶け広がった部分との明度の差が大きめに出てザラザラした質感になります。
これもひとつの「味(タッチ)」として見ることができるのかどうか、微妙なところですね。


あと、ブリストルの時は水入れする範囲としない範囲との境界をうまくつなげられたんですが、ウォーターフォードは乾いた状態の上から水を置くとバックランがきついため、境界が必要以上にくっきり出てしまう傾向があり、滑らかにつなげるのは難しい気がしました。

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プロフィール

管理人:
吉 比古 [よし ひこ]
趣味:
猫を描くこと
ひとこと:
モフモフな猫をモフモフに描けるように頑張ります。

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